SCREW 怒りも苦しみもせつなさまでも120%紫にそまった解散前のラストツアーをレポート!8.20(土)Zirco Tokyo

ライブレポート | 2016.08.31 19:00

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SCREW LAST LIVE TOUR 『BREATHE ONE’S LAST BREATH…』
2016年8月20日(土) Zirco Tokyo[SOLD OUT]
TEXT:東條祥恵 PHOTO:近藤 宏一

これまで何度も逆境に立たされ、ボロボロになってもその度に立ち上がってきたバンドだった。2年前にルイ(Bs)が脱退したときも鋲(Vo)、和己(Gt)、マナブ(Gt)、ジン(Ds)の4人体制でバンド存続をファンに誓ったSCREWが、結成10周年を迎えた今年5月、来る11月1日をもって解散することを発表した。それに伴い、現在バンドのラストツアー<SCREW LAST LIVE TOUR『BREATHE ONE’S LAST BREATH…』>を開催中の彼らが8月20日、東京・Zirco Tokyoにてライブを行なった。

激しさも怒りも苦しみも、そしてせつなさまでも120%の威力でオーディエンスにねじ込んでいくというスタイルで、この10年間ライブを中心に活動し続けてきたSCREW。この日のチケットは完売。会場となったのは今年新しく新宿に誕生したばかりのZirco Tokyoだ。開演前から、フロアは最後尾までパンパンのすし詰め状態。
開演時間を過ぎ、暗転した場内にSEが流れるとオーディエンスのハンドクラップが始まり、ステージをおおっていた幕がゆっくりとオープン。目の前に4人のメンバーが現れる。すかさずジンのカウントから「Red Thread」でライブはスタート。「飛べー!」という鋲の叫び声を皮切りにメロディアスなアッパーチューン「マスカレード」が始まると、舞台後方ではジンが歌を口ずさみ、場内には美しいレーザーが飛び交う。オーディエンスが激しくモッシュしながら左右に行き交うおなじみの「Get You Back」、ミラーボールが回る中、ダンスビートに合わせてペンライトを持った観客が上下に揺れ、いまやエレクトロ系の代表曲にもなった「FUGLY」と曲を連投し、彼らは早くも場内に凄まじい一体感を作ってみせる。

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「帰ってきたぞー、東京!一緒に燃え尽きようぜ。かかってこい!」と鋲がフロアを煽ると、観客はデスボイスで何度もメンバーの名前をコール。以降、彼らは本編ラストまでMCもなく、新旧織り交ぜた楽曲をただひたすら演奏するというストイックなパフォーマンスで駆け抜ける。印象的なギターリフが流れると、場内から一斉にoiコールと無数の拳が上がった初期代表曲「VAGAS」、疾走系の「Thirty♂Revolver」、さらに間奏では和己が頭の後にギターを構えてソロを弾いてみせた「FIREFLY」、ヘヴィネスのなかでもひときわ美メロが光る「Wailing Wall」と問答無用なハードチューン4曲を早い展開で次々と投げ込むと、オーディエンスのテンションは一気にピークまで到達。

重低音でハードな楽曲が多いと思われているSCREWが、実はバンド結成時から一貫してこだわってきたのはメロディアスな部分だ。それを象徴するのが、鋲の艶のある柔らかい声の魅力が際立つバラード曲。この日は、彼らがこれまで発表してきたバラードのなかから和己が奏でるアコギがせつなさを呼び、解散発表後だからこそ余計に歌詞が胸に沁みた名曲「REMEMBER ME」と、ミラーボールの光が雨のように降り注ぐ中でマナブがメインフレーズを弾き、鋲がファルセットを使って観客を包み込むように声を届けた「ANCIENT RAIN」を披露。静寂に包まれた場内。動くことも忘れ、食い入るようにステージを見つめていた観客たちは、演奏が終わった瞬間に盛大な拍手を送った。

この後、終盤戦はラストまで一気に畳み掛ける。「DEEP SIX」のイントロが始まると、再びフロアからは無数の拳が上がる。ギタリスト2人がツインギターならではの美しいユニゾンを響かせるなか、鋲はフロアの天井の梁部分にマイクコードをぶら下げ、それを揺らしながらオーディエンスのoiコールを激しく希求。続けて「UNWORLDLINESS KINGDOM」、「DIE・KILLER・DEAD」、「Barbed wire」と彼らのライブをこれまで散々半狂乱ヘと導いていった極めつけのライブチューンを投下すると、観客は激しいヘドヴァンの嵐でそれに応戦。
ここまで圧倒的な一体感でフロアを熱狂させ、とことん暴れ倒した観客に向かって彼らはこの後最後に「as cold as marble」を差し出してきたのだ。“輝いていたあの何度目かの暑苦しい夏にそう君を失った”、“何もかも全て消えろ”、“何が起こっても時間は止まらない、それならば僕を止めてしまえ”————胸をかきむしり、抉っていく歌詞は、残酷すぎるほどに“いま”の自分たちにピッタリはまった。そんな、どこまでもSCREWらしいピリオドに、ファンはただただ立ち尽くすしかなかった。

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アンコールに応え、再びステージに現れた4人。「お疲れッ!」といきなり屈託のない笑顔を浮かべる鋲。本編とアンコールでは別人。このギャップも彼らの魅力。「Zircoしてる?(フロアは爆笑)Zircoって行こうぜ!」と鋲がいい、アンコールはタオルを回しながら観客とのメンバーコールの掛け合いが楽しい「ムラッキーヘビーマーチ」を始まりにSCREWのポップサイドにあるナンバーを連発。

止まないアンコールに呼ばれ再度舞台に集合した彼らは「RAGING BLOOD」でフロアのボルテージを再びあげ、「紫に染まってこい!」という鋲のシャウトから、最後はやっぱり彼らが10年間ライブのクライマックス曲として愛してきた「S=r&b」を披露。会場全体をシンガロングで盛り上げていって、この日のライブは終了した。

「グッズは最後っぽいイメージで作ったから」と話していた鋲。アンコールで彼らが着ていたツアーTを見たら、胸には“R.I.P”の文字。
ラストライブツアーも残された日程はあとわずか。そうして11月1日、ツアーファイナルとなる東京・TSUTAYA O-EAST公演で、ついに彼らは自らSCREWを葬り去る。どんな形でバンドが最期を迎えるのか。伝説の夜になることは間違いないので、この世にSCREWというバンドが存在した、その最後の証となるライブをたくさんの人に見届けて欲しいと思う。

セットリスト

01. Red Thread
02. マスカレード
03. Get You Back
04. FUGLY
05. VEGAS
06. Thirty♂Revolver
07. FIREFLY
08. Wailing Wall
09. REMEMBER ME
10. ANCIENT RAIN
11. DEEP SIX
12. UNWORLDLINESS KINGDOM
13. DIE・KILLER・DEAD
14. Barbed wire
15. as cold as marble

ENCORE 1
01. ムラッキーヘビーマーチ
02. スカーレット
03. delete
04. TRANCE

ENCORE 2
01. RAGING BLOOD
02. S=r&b

SCREW LAST LIVE TOUR『BREATHE ONE’S LAST BREATH...』

2016年9月13日(火) SHIBUYA REX SOLD OUT
2016年11月1日(火) TSUTAYA O-EAST 開場17:30/開演18:00
NOW ON SALE

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対象公演:2016年11月1日(火) TSUTAYA O-EAST(渋谷)
先着受付期間:8月27日(土) 10:00 ~ 10月4日(火) 23:00

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